数字にならない毎日を、自分の手で塗り替える
「数字で語ってくれないと困るんですよ」
そんな言葉を、何度聞いただろう。
生産性。成長率。効果測定。
私たちは気づけば「意味のあること」をするよりも「意味があるように見えること」を選んでしまう。
だけど、幸せって本当に数字で測れるものなんでしょうか?
誰かの評価に値することしか、人生に価値はないの?
かつての私は、そうやって問いながらも、つい努力してしまう人間でした。
もっと前向きに、もっと理想に近づけるように、もっと高パフォーマンスを…と。
けれどそれはいつしか、「病的な努力」になっていたと気づきました。
周囲の人が休職するのを見ても、自分はそうなってはいけないと思っていたし、不安や落ち込みすら、「非生産的だ」として排除しようとしていた。
でも、本当はやる気が出ない状態って、生き物としての“強制休憩”なんですよね。
からだが、「もうムリだよ」って引きこもらせてくれてるだけ。
そんな時代を通って、今、私はこう思っています。
「自分を良くする」って言葉に、疲れた人から 元気が消えていく。
何かを「塗り替える」って、ただ物理的な行為じゃない。
それは、暮らしや心にこびりついた“べき論”の上から、自分の色を重ねていく行為なんです。
「自分らしさ」って、そんなに大切?
「本当の自分を見つけよう」とか、「自分らしく生きよう」とか、
よく言われるけれど——
もしも見つけた“本当の自分”が、思ったより退屈で、意地悪で、かっこ悪い人間だったらどうしますか?絶望しますか?現実逃避しますか?推し活に専念しますか?
私なら、その自分をそっと笑いながら、ペンキでちょっと修正します。
次の色を重ねて、まだ見ぬ色を試してみる。
それくらい柔らかく、柔軟にゆっくりと考えていいかなって思っています。
だって私たちは、いつだって変われる存在だし、歳を重ねるごとに、変わるのが当たり前なのだから。
「幸せ」は副産物である
ある心理学の調査によれば、「幸せ」や「満足感」を直接追いかけるよりも、
自分が意味を感じられる行動を積み重ねた方が、結果として幸福度が高いそうです。
私にとって、それがペンキを塗ること以外考えられませんでした。
正直に言えば、ただの趣味を探すだけで15年も迷っていました。
あれでもない、これでもない。
誰かのおススメを試してもピンとこない。
最大の理由は「時間がない」
30分で気分を変えられるものって、そう多くないんです。
ペイントは、道具さえ揃えば一瞬で始められる。
「今日は青にしようかな」「昨日のピンクはちょっと違ったな」
気分で選んで、自由に間違えられる。
正しさじゃなくて、心地よさが基準。
—
しかも驚くことに、「やってる私」を見て
息子がこう言ってくれました。
「ママ、ペンキ塗ってるとき、楽しそうだったよ。
あー、この人、ハマったなって思った。すごくいいよ。」
こんな日がくるなんて思えませんでした。(だって私は、10年以上シングルマザーみたいな状態だったので、自分の楽しい探しを諦めかけていたから!)
■ 幸せを建てようとする前に、色を塗ろう
家を作る会社にいたので、人生の最大の買い物として「幸せを建てる」っていう気持ちを大事にしていました。買う人って、「ずっと幸せが続いてほしいから」っていう気持ちがあると思います。
でも、家を完璧にした瞬間が人生のピークになるとしたら、、、それって少し悲しい。
家も、暮らしも、気持ちも。
何度だって幸せを感じる状態に、塗り替えていい。
大事なのは「完成させる」ことじゃなくて、
「今日この気分でやってみた」を、ちゃんと自分に許すこと。
■ だから、ペンキを塗ってみよう
あなたが今、「なんとなくしんどい」と感じているなら
それはたぶん、“正しさ”が多すぎて、“遊び”が足りないのかもしれません。
あなたが選んだ色は、どんな色?
ひと筆だけでもいい。
布でも、木でも、壁でも。
あなたの気分が、手から色になって出てくる瞬間。
それが、塗ることの本当の楽しさです。
お知らせ
現在、「あなたの心の色を取り戻すペイントワークショップ」開催中です。
次回のテーマは「空を描く」または「宇宙を描く」ワークショップ。
忙しい毎日の中で、自分の手をゆるめてみたい方は、ぜひご一緒に。
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